三姉妹探偵団(赤川次郎)~いつも前向きで個性豊かな三姉妹

本の感想

最近、久しぶりに赤川次郎にハマりつつあり、他になにかあるかな~と古本屋で物色していたところ、「三姉妹探偵団」が目に止まりました。

赤川次郎の人気シリーズの1つ、「三姉妹探偵団」。個性的な3人の姉妹が事件の解決を奮闘する物語です。

赤川次郎ならではの読者を飽きさせない場面展開と、三姉妹の個性が光る行動に、読者として常にハラハラドキドキ、そして、時にはほんわかしながら、事件を解決していく物語です。

三姉妹探偵団はかなりの数が発表されていて、現時点では、「三姉妹探偵団26」まで発表されているようです。

今回、僕が読んだのは、その第1作目にあたる「三姉妹探偵団」でした。

ということで、この記事では、「三姉妹探偵団」を読んだ僕の感想をご紹介します。

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あらすじ

三姉妹の家が、父親が出張で不在の夜に、突然火事に見舞われた。辛うじて逃げ出したが、一夜にして家無し子になってしまった三姉妹。

偶然、末っ子の先生が駆けつけてくれて、末っ子と長女が先生の家に厄介になることになった。次女は三人同時に厄介になることは厚かましいと考え、次女だけ友達の家に居候することになった。

そして、なぜか自宅の焼け跡から若い女性の全裸死体が出てきて、姉妹は呆然となる。

頼るべき父親が出張中で何故か連絡がつかない状況で、こともあろうか、父親に容疑がかけられてしまった。

魅力ある三姉妹

三姉妹のキャラがはっきりしていて、それがかなり面白いと言うか、魅力的なんですよね。

おっとりしている長女の綾子
ハキハキして母役の次女の夕里子
お金大好きで現実主義者の三女の珠美

これだけはっきりとキャラが立っているので、三姉妹の会話を読んでいても、魅力があるというか、姉妹同士の掛け合いが結構面白いです。

兄弟とか姉妹とか、肉親同士だからこそ遠慮なくガツガツものを言うんですが、そういう雰囲気もしっかりと物語では描かれています。

しかも、次女も、三女も長女綾子の性格を理解していて、緊迫している様な会話でも、どこかおっとりして、ちょっと外れた事を言う長女綾子に対して、

「やっぱりお姉ちゃんね。」

という雰囲気を出しているところが、読んでいても、思わずほっこりしてしまいます。

いきなり、家事で自宅消失して、しかも父親は出張中で連絡がつかず、また、母は五年前に他界。

そんな、普通なら暗くなりそうな雰囲気なのに、姉妹が力を合わせて、明るく元気よくたくましく生きていこうをする姿は、

読んでいて元気がでるし、どんな状況でも明るさを失わない三姉妹を読んでいると、読者としても元気になりますね。

この物語で、実際に事件を解明しようと動くのは、次女の夕里子です。

刑事や周りの人がどんなにやめなさいと止めても、結局自分から動いて、危険も顧みずに飛び込んでいくのは、「夕里子」です。

そんな夕里子の行動力に、「高校2年生で、この行動力はすごいな」と関心してしまいます。

次々に湧いてで来る謎に展開が気になります

自宅が火事で消失しただけでも、中々の事件ですが、更に事件が起こりまくります。

次女の夕里子と、刑事の国友が事件の謎を解くべく色々と行動していくと、さらに事件が発生。

この後、どうなっていくのかと、読者を飽きさせること無く、物語がグイグイと進んでいくので、読んでいても面白いですし、物語にのめり込んでいきます。

こういう、読者を飽きさせない物語を作るのは、本当に赤川次郎は上手いなって思います。

例えば、
末っ子珠美に起きた受難。
夕里子が居候している同級生・敦子の家での事件。
父親の会社の上司の疑惑。
被害者の若い女性が働いていた会社で出会った女性からの有力な情報。

この話が一気に押し寄せてきて、読者としては場面展開に継ぐ場面展開で、この後どうなっていくのか、かなりワクワクしてしまいます。

ここまで、話が広がると、「どう収束するんだ?」と思ってしまいますが、それがまた、面白いように、色々と繋がりがあって、最後にしっかりと解決します。

そりゃそうなんですけどね。でも、そこが面白いし、読んだ後、満足しながら、スッキリします。

表紙のイラストに味がある

僕が購入した「三姉妹探偵団」は古本だったので、表紙が初版と同じデザインでした。はっきりいうと、美人?ブサイク?いい意味で味がある?そんな風に三姉妹が描かれています。

まぁ、最初に見たときには、「このイラスト、どうにかならなかったのか?」と思ったんです。でも、本を読んでいるうちに、物語の中の三姉妹がイラストの雰囲気とリンクしてくるというか、このイラストの雰囲気があるっちゃーあるなと思い始めてきました。

物語の雰囲気や各キャラクターの個性が、イラストとマッチしてくるんですよね。物語を読み終える頃には、「確かにイラストに近いイメージを持つなぁ~。さすがプロ!」などと、最初に見たときの感想とは真逆の感想を思うことになりました。なんと調子のいいことか。

で、ある時、古本屋で「最近出版された三姉妹探偵団」を見つけたんですが、表紙の三姉妹が書き直されていたんですよね。その絵が、これはまた少女マンガに出てきそうなキャラクターだったんです。

「あぁ、やっぱり、あのイラスト書き直したいって思った人いたんだなー」と素直に思いました。

ただ、このイラスト、あまりにもキラキラしすぎて、あの表紙のある小説を読んでいると、周りから「ライトノベル読んでいるのか?」と思われそうな表紙なんですよね。そのぐらい、キラキラした女性として三姉妹が書かれていました。

そうは言っても、「いくらなんでも変わりすぎだろー!」

まとめ

今回は、「三姉妹探偵団」を読んだ僕の感想をご紹介しました。

最近、何かと暗い話題の多い今、どんな環境になっても、たくましく前向きに生きてしまう「三姉妹」の、この物語は、必要なんじゃないかなと思ったりします。

読んでいると、ハラハラドキドキしちゃいますが、何かと前向きな気持にもさせてくれる内容でした。

「三姉妹探偵団」シリーズ、一作目ですが、なかなか面白かったです。シリーズはたくさん出ているので、しばらくは買い漁ろうかなと思います。

アマゾンで購入できる「三姉妹探偵団」は、表紙が今風の女の子に書かれていてびっくりでしたね。

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