世界で一番透き通った物語を読みました。
書店で、ぶらっとしていたら、思わずこの本が目に入ってきました。
そして気になる文字が・・・
「電子書籍では実現不可能」
えっ?なんで??
電子書籍で実現不可能なんて、そんなことあるのか?余計に意味がわからない・・・
そうなると、めちゃくちゃ気になるわけです。
なので、思わず手にとって、購入までしてしまいました。
最後まで読むとわかるんですが、たしかに、
電子書籍では無理でしょう。
その理由は、最後まで読まないとわからないですね。
それに、この本を読み終わったとき、
この物語を書いた作者に尊敬の念さえ感じました。
この本、面白いですよ。
本を読み終えた後の驚きもありますし、
そして、とっても読みやすい本です。
ちなみに、この記事では、「世界でいちばん透きとおった物語」のネタバレを多少含みます。
「ネタバレは読みたいくない!」
という方は、このページを閉じでくださいね。
ネタバレを読みたくない人は、ページを閉じたかな?
・・・ということで、
この記事では、「世界でいちばん透きとおった物語」を読んだ感想をご紹介しますね。
あらすじ
主人公・藤阪燈真は大御所ミステリー作家・宮内彰吾が藤阪恵美と不倫関係になり、できた子供。
藤坂恵美は「迷惑をかけたくない」と宮内彰吾との関係を一切絶ち、シングルマザーとして仕事をしながら藤阪燈真を育ててきた。
藤阪燈真が10歳の時、脳疾患によって一時失明しかけたが手術により視力は回復。だが、手術の後遺症により、紙の書籍を読んでいると目がチカチカするという後遺症が残ってしまった。元々、本好きだった燈真は、色々と模索した結果、電子書籍であれば違和感なく読めることがわかり、それ以降、本を読むときは電子書籍で読むことになる。
藤坂燈真が18歳のときに、母、藤坂恵美は交通事故で亡くなった。それ以来大学には行かず、書店員としてアルバイトをしながら生活していた。
あるとき、大御所ミステリー作家の宮内彰吾が死去の報道が流れた。燈真は自分の実の父親ということは知っていたが、生まれてからこの方一回もあったことが無い宮内彰吾の死去には、特別に何の感情も抱かなかった。
その後、宮内彰吾の本妻の子である、松方朋晃から連絡が入り、宮内彰吾の遺品から「世界で一番透き通った物語」という小説をほぼ書き上げている可能性があることがわかったが、肝心の原稿が見つからないので探し出してほしいと依頼を受ける。燈真は宮内彰吾の女性関係や交流のあった編集者等から、原稿に関する情報を得ることになる。
会ったこともない父親のことを調べる仕事
会ったこともない父親の女性関係って、ま、正直、知りたくないですよね。
僕の場合は父親は普通に家にいましたけど、女性関係を改めて知ろうなんて、思いたくないですね。
逆に、いつも会っているからそう思うのであって、会ったこともない父親であれば、女性関係なんて知りたくない・・・なんていう感情もわかないのだろうか?
でも、会ったことがない父親でも、女性関係は、まぁ・・・、あまり知りたくないと思うでしょうね。
特に、主人公の燈真は20歳の若者です。反抗期・・・とは言わなくとも、まだまだ若いですから、父親の女性関係を知るなんて、あまり気持ちのいいものでは無いですよね。
それに、宮内彰吾は女性に手が早いことで有名。女性関係と言われる「女性」が数多くあり、会って話を聞く度に、やな気分になるのも、わかる気がします。
主人公の藤阪燈真は、かなり宮内彰吾に顔が似ていたようで、会う人も一発で「宮内彰吾の息子」とわかるほど。
このあたりの感情もかなり微妙でしょうね。会ったことのない父親、しかも女癖も悪い。それでも、大御所ミステリー作家。そんな父親に、「よく似てる。」なんて、言われても、嬉しいものだろうか?
確かに、父親に似ていると言われることも、僕の中ではそんなに悪い気はしないけど、藤阪燈真の場合は、確かに偉大な父親だったとはいえ、一度も会ったことがなく、現行の調査を進めていく中で、「女性に対してかなり手が早い」とわかってきた中で、
「似てるね。」なんて言われても、あまり嬉しい感情がわかないのはよく分かる。
藤阪燈真の母親、藤坂恵美は本好きだったことも合って、藤阪燈真も本が好きだった。でも、目の疾患によって、紙の本が読めなくなってしまった。電子書籍なら読めるのに、紙の本は読めない。なかなか、難儀な障害を患ってしまったものだ。
子供の頃に読んだ、謎解きの本「魔法使い タタ」をとても楽しみにしていたが、解決編に入る前に答えが書かれていたということで、酷く残念に思えてしまったという。
その辺りに、燈馬の術後の症状が読み取れるのだが、それが、題名につながるとは「魔法使い タタ」の下りを読んで見ても、全然気が付かなかった。
この本を読んでいる人の中には、このあたりで「もしかして・・・」って気がついた人もいるかも知れないですね。
僕はどっちかというと勘が鈍い方なんで、全然気が付きません。お陰で物語の終盤でネタバレされたときは、ビックリしましたけどね。
燈馬は父・宮内彰吾の遺稿となった原稿を探していく中で、いかに自分が宮内彰吾に愛されていたのか、知ることになる。
愛されていたのか、実の息子にも自分の物語を読んでほしかったという、作家ならではの気持ちなのか、それは分からないが。
それでも、息子のために、なんとかしてやりたいと思った宮内彰吾の気持ちは、やっぱり「父」ならではの感情なんだろうな。
この話のストーリーは、
今は亡き父親が残した遺稿を探す物語なのだが、物語の終盤に、この本に隠された謎が判明します。この謎がわかったとき、正直、「ゾワゾワッ」としました。
この本の帯には、「電子書籍では絶対に再現不可能!」と書かれていました。当初は「何故だ?」と思っていたましたが、最後まで読んでみると、たしかに、再現は不可能。
最後に、「 」の意味に気がついたとき、「マジですごい!」と心から思い、感動しました。
まとめ
この記事では、「世界でいちばん透きとおった物語」を読んだ僕の感想をご紹介しました。
物語自体も結構面白いですが、この本はかなり読みやすかったです。
コレも、一つの仕掛け何でしょうかね。
この感覚は確かに、「紙」でしか味わえない驚きでした。
こういう本はなかなか無いでしょうし、今後も現れないかも知れませんね。
それに、この本との出会いは、「書店」でした。
こういう面白い本との出会いがあるから、「書店」が好きなんですよね。
最近、「書店」自体を、あまり見かけなくなってきたので寂しい限りですが・・・。
また、書店に行って、面白い本との出会いを期待しながら、ブラブラしようと思います^^;
今回ご紹介した本は、こちらから購入可能です。
「気になる!」っていう方は、こちらから購入するか、書店でブラブラしながら探してみてくださいね^^
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