三毛猫ホームズの正誤表~疎ましい人への対処法

本の感想

何も考えず、書店の本棚から取った本。それが、「三毛猫ホームズの正誤表」でした。

(*^^*)
「三毛猫ホームズシリーズが読みたいなー」

と思って、書店に行くと、めちゃ沢山あります。

事前に情報が無い場合、どれを選んでいいかわからないですが、
・・・多分、どれを選んでも「面白い」という安心感があるシリーズです。

三毛猫ホームズシリーズは過去に数冊読んだことがあります。
それに、シリーズの最初「三毛猫ホームズの推理」も読んだことがあるので、

改まって「なにか読もうかな・・・」って考えた時、多すぎてどれを選んでいいか迷っちゃうのが、「三毛猫ホームズ」シリーズなんですけど、

ま、きっとどれを選んでも面白いんだろうなーと思いました。

・・・で、「三毛猫ホームズの正誤表」はどうだったか?

「面白かったです^^」

流石、赤川次郎様様でした。

ということで、この記事では、「三毛猫ホームズの正誤表」を読んだ感想をご紹介します。

ネタバレを含みますので、「読む前にネタバレは読みたくない!」という方は、そっと画面を閉じてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・いいですか?

それでは、始めていきますね。

スポンサーリンク

あらすじ

片山晴海の高校時代の親友・野上恵利が所属する劇団で次回の作品でヒロインを務めることになり、お祝いのために晴海が恵利をディナーに招待した。

その席で恵利が「殺されるかもしれない」と告白。

一方、Sクリニックでは、カウンセラー岩井則子がグループカウンセリングを開いており、そこには、恵利と同じ劇団に所属する女優 丹羽しおりの他に、サラリーマン 南原悟士、中学生 相良一、主婦 村井敏江らが集まっていた。

各々が自分の今の立場に不満を持っており、その不満を打ち明けるのだった。

次第に、グループカウンセリングの参加者たちの周りで、不可解なことが起こるようになり、恵利の身にも危険が及ぶのだった。

相良一と室田淳一のやり取りが一番印象に残っている

テストの結果で常に一番になりたい「相良一」。しかし、このところ一位の座は別のものに奪われている。

そのことで心身が疲弊し、グループカウンセリングに参加する事になった。

今回の塾のテストの結果が、一位 室田淳一、二位 相良一 で、今回も一位になれなかった相良。それを気にしているのに、室田の方はさほど気にしていない様子で、「ここで、トップになって、何になるんだ。」と言っている。

そして気さくに「何か飲んで行かないか?」と近くのハンバーガーショップに誘うのだった。

相良一は初めてそこで、室田淳一と人間を初めてじっくり見ていた。今までは、塾のライバルと言う関係だけだったが、ちゃんと真正面からじっくりを見たことで、室田淳一の今まで見ていない一面も見たのだった。

2人がハンバーガーショップに居ると、不良4人組が来店。4人組は相良と因縁があるらしく、相良のシェークにケチャップを入れるといういたずらをする。相良は身体が緊張して震えていると、室田が、「よせよ」といって、4人を軽くのしてしまう。

そのシーンに感動したショップの店長が、「なにか奢るよ!」というが、「どうして喧嘩になる前に止めなかったんですか。あなた大人でしょ。どうして見てみないふりをしたんですか。大人なら大人らしいことをしてください。」と、毅然とした態度を取るのだった。

相良一はここで、室田淳一のことをよく知ることになる。室田はニューヨークの下町にいたことがあり、喧嘩の仕方もよくわかっていた。そうでなければ生きていけなかったと言われた。

相良一と室田淳一は中学生。室田の気さくな態度と、毅然とした態度を見て、相良は、「一位 室田淳一」以外にも別の感情が湧いてきたのだと思う。

その点に関しては特に書かれていなかったが、彼の所作から察するに、彼のことを「友だち」として見るようになっただろう。

4人の不良に絡まれ、お前は誰だと聞かれたときに室田ははっきりと「友達だ」と答えた。

塾ではみんながライバルだと思っていた相良にとって、状況はどうあれ、「友達だ」と言われたことも嬉しかったのだろうし、その後の彼の不良に対しても大人に対しても毅然とした態度が取れる彼に、ある意味、尊敬の念を抱くようになったのだと思う。

この話では、グループカウンセリングを受けている人たちの周りで、彼らが疎ましく思う人間が殺害されていく。しかし、相良一のように、最初は疎ましく思っていた人も、実際にちゃんと付き合ってみると、その人の良さに惹かれるということもある。

実際、相良一は中学生だ。中学生の頃の「疎ましいと思っていたライバル」は、切磋琢磨していく中で必要な良友ともなり得る。

相良一にとって、室田淳一はそんな存在だったんだろうと思う。

この話では、グループカウンセリングの悩みのタネに上がっている人が、次々と殺されていくが、室田淳一は、その中でも、殺されなかった人の一人だ。

犯人に襲われて負傷はしたが、無事生還しているし、そのことについて相良一は喜んでいた。

この事件によって、相良と室田の友情は更に強いものになっただろう。ぜひ、相良と室田と、将来、かけがえのない友情を築いていってほしいと、読んでいて思った。

そして、僕は、室田が殺されなくてホッとしていた。

室田は、「実はいいヤツ」っていう部類だ。この話を読んでも、実際、相良にとって、良いライバルだし、良い友達だ。

なにせ、犯人に襲われて脇腹を刺されても、相良に対して「逃げろ・・・」と言った人物だ。中学生の頃に、そういうことが出来るやつはなかなかいない。

この本を読んで、僕は室田のことが好きになった。だから、室田が殺されずにホッとしている。この室田が、殺されていたら、読後の後味が悪かったかもしれませんね。

まとめ

この記事では、「三毛猫ホームズの正誤表」を読んだ感想をご紹介しました。

いろんな正誤表のように、その人の人生を正すかのように、次々と殺人事件が発生していくが、

結局、疎ましいと思っている人物が実際に目の前に現れた時、自分のチカラで乗り越えて、人生を進めないと、自分自信も大きく、そして幸せになれないんだな・・・と、思った本でした。

それに、赤川次郎の特有の、サクサクを読み進めることが出来て、読みやすい物語でした。

とっても面白かったです。

「三毛猫ホームズ」シリーズはまだまだ沢山あるので、書店で見かけた時にはまた購入したいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました