「三毛猫ホームズの暗黒迷路(赤川次郎)」嘘をついた刑事の末路とは!?

本の感想

赤川次郎の人気シリーズ三毛猫ホームズから、「三毛猫ホームズの暗黒迷路」を読みました。

嘘をついた刑事の末路と、最後の結末。そして、事件の真相を知った時、読者である僕が「ええー!」と、読みながらびっくりしてしまいまして、

思わず、嫁さんと「赤川次郎」談義をしてしまったほどでした。

ウソという人間が起こしてしまいがちな罪と、そこから広がる展開の数々に、少なからず登場人物に同情してしまいつつも、予想していた結末と違う結末にびっくりしてしまいました。

この記事では、「三毛猫ホームズの暗黒迷路」を読んだ感想をご紹介します。

ネタバレを含みますので、事件の結末を見たくない!という方は、そっと画面を閉じてくださいね。

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あらすじ

引退間際の老刑事・笹井。ゴーストタウンに逃げこんだ殺人犯の金山を追跡中に、間違って同僚の若い刑事を殺してしまいます。

しかし、笹井は「金山が撃った」とウソを付いてしまう。そこから、笹井の人生が狂ってしまうことになります。

いつもとは一味ちがう、片山兄弟とホームズが活躍する三毛猫ホームズシリーズです。

ウソを付くとどうなるのか教訓になる

笹井が付いた嘘によって、自分の周りの人生がおかしな方向に狂いだす様が興味を惹いたし、何より最後どうなるのか結末が気になりました。

自分のみを守ろうとした嘘はやはり良い結果を生まないという教訓にもなる。

金山は笹井の娘・亜希子に近づき、次第に二人は惹かれ合っていきます。

しかも、なんの拍子か、亜希子も自分のBFを押し出し、車で跳ね飛ばしてしまう。そのまま、亜希子と金山はお互いの闇を抱えたまま逃亡することになる。

金山には脅されるし、娘・亜希子は行方不明になるわで、笹井はそこからどん底の人生を過ごすことになります。

一度ウソを付いてしまうと、そのウソを正当化するために、またウソを付く。そして、そのウソを・・・・と、ウソの連鎖が始まり、最終的に、自分の心が病んでくる。

まともな大人はそれを知っているから、ウソはつかない。子供はそれを知らないから、ウソを付いてしまう。

でも、大人になってもウソを付く人はいる。なぜかというと誰しもが自分を正当化したいし、やってしまった悪いことを隠したくなるから。

大人になった時、自分の悪いことを正直に話すには、心の強さが必要になると思う。ぐっと堪える心の強さを持った人間が本当に強い、胆力のある大人じゃないかと思います。

その点でいうと、笹井は自分の栄光にしがみつきたいがために嘘をついてしまった。ここで同僚を撃って殺してしまったら、引退間際に殺人犯となってしまう。だからそのことを隠したくて嘘をついた。

ここぞと言うときに嘘をついてしまった笹井は、自分を正すための心の強さが少し足りなかったのかも知れないのかなと思いました。

飽きない画面展開と、とんでもない結末

場面展開の早い物語で読者を飽きさせない。読んでいて、次々と起こる事件と、この後どうなるのか?という興味で、最後まで突っ走って読めたのは、やっぱり赤川次郎の小説の特徴だと思います。

しかし、結末が、とんでもない結末だった。

実は、その同僚の若い刑事を撃ったのが、笹井じゃなく、金山でもなく、実は「若い刑事の母親」だったという、びっくりするような結末。(※真犯人は文字を選択すると見えます。思いっきりネタバレなので、本を読みたい方は見ないほうが良いですよ。)

正直、わかったときに「はっ?」って感じ。拳銃はどこから調達したの??

その疑問の答えとして、以前の暴力団を取り締まったときに、大量に出てきた拳銃のうち一つがポロッと家に転がった・・・・って、

ちょっと雑すぎません?

そりゃないでしょって感じ。

と言うか、そんなこと、実際の警察なら無いんじゃないのかな?って思ったんですけどね。

しかし、そんなところから、結末を持ってくる赤川次郎はやっぱり興味が尽きない。
でも、相変わらず、結末が納得いかない・・・と嫁さんと談義してしまいました。

まとめ

この記事では、三毛猫ホームズの暗黒迷路を読んだ僕の感想をご紹介しました。

赤川次郎の小説はどれも場面展開が早くて、それでいて、読んでいても飽きさせない工夫が満載ですよね。この小説も、予想を裏切る展開と、びっくりするような結末が待っていて、読んでいて楽しかったです。

それに、「嘘を付いた人の末路」がやっぱり悲しくて、わかっていても、ちょっとやりきれない思いもありましたね。

三毛猫ホームズの暗黒迷路が気になった方は、こちらからチェックしてみてくださいね。

 

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